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銘苅家住宅

文化財

銘苅家住宅は、伊是名島を代表する歴史的建造物の一つで、尚円王と血縁関係を有する銘苅家の居宅です。銘苅家は琉球王国時代、代々夫地頭職を世襲した特別な家柄であり、王府より社会的地位と俸禄(給料)を保障された、稀有な存在でした。
銘苅家住宅は、尚円王の叔父を始祖とする一族の居宅であり、伊是名島を代表する歴史的建造物です。銘苅家は琉球王国時代、代々夫地頭職を世襲したが、本来この夫地頭は百姓が任期付であたる、地頭代(現在の村長)の補佐役であったが、銘苅家に限っては王族の血族として社会的地位を確保するため、王府が特別職として任命した位であった。そのため、一般的な行政事務等の実務を担うことはなかったとされる。それどころか、夫地頭でありながら、士族として認められている、琉球王国内においても特殊な家柄でした。
銘苅家住宅は、単なる住居ではなく、伊是名島における行政と文化の拠点として機能してきた建築であり、地方から琉球王国を支えた統治の姿を今に伝えています。
住宅の構成には、琉球建築の思想と当時の身分秩序が色濃く反映されています。屋敷の入口には、魔除けや視線を遮る役割を持つヒンプンが設けられています。主屋は赤瓦葺きで、右手には来客を迎えるための座敷、左手にはかつて家畜小屋として使われた離れが配置されています。このような構成は、琉球士族の住宅様式をよく表しています。
門を入ってすぐに設けられたヒンプンは、霊的な防護と私的空間の確保を目的としたものです。赤瓦屋根は士族階級の象徴であり、接客空間と生活・農業空間を明確に分けた配置からは、公的機能としての役割と日常生活を両立させていた様子がうかがえます。
現存する建物は1906年に再建されたもので、戦災を免れた希少な事例です。1977年には国の重要文化財に指定され、現在も保存と活用が進められています。銘苅家住宅は、琉球王国の地方統治と士族文化を具体的に示す貴重な建造物です。

住所
沖縄県島尻郡伊是名村伊是名902
ホームページ
https://www.izena-story.com/heritage/chapter03.html#tabConts02